vmira’s blog

好きな事をつらつらと書いています.

【読書記録その3】美丘(石田衣良)

vmiraです.石田衣良さんの『美丘』を読みました.

 

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※可能な限りネタバレをしないよう努力しますが,気になる方は観覧注意でお願い致します.

 

 読んだきっかけ

昨日『君の膵臓をたべたい』を読み終えてその感想を書いた際にこの本と比較をしたことで猛烈に読みたくなってしまったため,今日朝一で車を走らせ購入してきました.自分で蒔いた種ですので仕方ありませんが,ある特定の本をここまで読みたいと思ったのは生まれて初めてだと思います.去年の秋くらいに大学の後輩に勧められて読んだのが初でした.一度読んだ小説を時間が経ってからまた読む,ということを全くしない人間なのですがこの本は別で,今回で4回目くらいになります.読んでいて毎回新しい発見があり,何度見ても泣いてしまう本当に素晴らしい本だと思います.ジャンル問わず今まで読んできた本の中ではダントツで一番好きです.素晴らしい本を紹介していただいて本当にありがたいです.

 

軽い感想

前回の記事で『君の膵臓をたべたい』と比較しましたが,物語の方向性は似ていても表現の仕方が全然違うという印象は変わりませんでした.

『美丘』は闘病生活の場面に入った途端に急激に物語が進行していきます.読み返してもそのスピーディーさに改めて驚きました.病気が違うため,闘病の種類にも差があるのは当然ですが,『君の膵臓をたべたい』は愛情表現がかなり控えめだったのに対し『美丘』は美丘と結ばれる前にいざこざがあってさらに愛情表現が非常に濃厚であったため,幸せでかつ終わりが確実なものであった日常生活が崩れていく様子がとても重く伝わってきます.

この『美丘』があまりにも素晴らしかったため,先日石田衣良さんの『親指の恋人』も読みました.これもまた愛情表現が強く書かれていながら,結末がある程度予想がつく,悲しい恋愛小説になっています.内容は渡辺淳一さんの『失楽園』に近いかもしれません.こちらもとても楽しく読むことができました.また読み返してみようと思います.石田衣良さんの『夜の桃』という本も購入したので,近いうちこちらも読んでみようと思います.皆様も是非どうぞ.